つくば市と筑波大学

つくば市は、1960年代から筑波研究学園都市として開発が進ました。市内には、国や大手企業の研究拠点が多数存在し、約300に及ぶ国立研究機関・企業研究所と2万人の研究者を擁します。そのため、日本人の博士号取得者は7千に達します。外国からの研究者や留学生が多く、総人口の約3.5%を占めます。他方、筑波山をはじめとするの豊かな自然があり、また、市内には数多くの博物館・美術館があります。交通の便もよく、つくばエクスプレスにより都心まで45分、路線バスにより成田空港まで70分で結ばれています。このように、学業・研究・居住環境の整った都市となっています。

筑波大学のキャンパスは大きく分けて筑波キャンパス、東京キャンパスの2つに分かれています。筑波キャンパスの面積は 258ヘクタールで、大学の単一キャンパスとしては国内第2位の大きさを誇ります。ほとんどの教育・研究活動は筑波キャンパスで行われており、東京キャンパスは社会人大学院などのために使われています。大学院には6個の研究群、大学には9個の学群があります。研究施設として先端研究センターが16個あります。タイムズ・ハイアー・エデュケーションの「THE世界大学ランキング 2019-2020」では、第401-450位、アジア第55位、国内第8位です。筑波大学は、積極的に産学連携活動を行っており、筑波大学発ベンチャー企業数は平成18年度末で61件(日本の大学で第3位)です。また、平成18年度の大学発ベンチャー新設数は8件(日本の大学で第1位)です。

学生宿舎

筑波大学の特徴は、在学生の出身地が沖縄から北海道まで広がっていることです。筑波大学では学生宿舎を整備して、新入生のつくばでの生活をサポートしています。学生宿舎は、筑波大学構内の一の矢地区平砂地区追越地区及び春日地区に計68棟設置され,約4,000室の部屋があります。新入生は、優先的に入居できるよう配慮されています。

担任と指導教員

高校と同じように、大学にも担任の教員がいます。担任は、カリキュラムに関する助言をはじめ、学類生のいろいろな相談にのってくれます。物理学類の担任は、「フレッシュマン・セミナー(必修)」という科目を通じて、図書館の利用方法の説明や物理学類に関係する研究センターの見学、等を行います。学類・専門学群選抜で入学した学生に関しては、担任は1年次から3年次まで変わりません。(総合選抜で入学した学生に関しては、物理学類に進級するときに担任が変わります。)4年次に配属される研究室が決まると、今度は、指導教員が学類生のいろいろな相談にのることになります。

カリキュラム

大学が高校と大きく異なる点は、学生が自由に授業科目を選び、自分専用のカリキュラムを作ることです。そうは言って、筑波大学にはもの凄い数の授業科目があり、また、物理学類を卒業するには履修しなければならない科目がいくつかあります。でも、心配いりません。新入生オリエンテーションと通じて、物理学類の先輩が親身になって、カリキュラムの作成方法を教えてくれます。もちろん、担任の教員も、カリキュラムに関して適切な助言をしてくれます。

物理学入門

筑波大学では、一年次に各分野の専門導入科目が用意されています。物理学類の一年生は、「力学1-3」と「電磁気学1-3」を履修して、物理学を学修するために基礎を固めます。これらの科目は、文系の学生でも理解できるように授業内容を厳選しています。そのため、物理学を志望している物理学類生には物足りないかもしれません。でも、大丈夫です。物理学類では、そういった学生のために、「物理学入門(必修)」を用意しています。また、二年次に履修予定の「解析力学(必修)」などの専門科目を履修してもよいかもしれません。

専門科目

二年次になると、物理学類の専門科目の履修が始まります。解析力学、量子力学、専門電磁気学、統計力学、・・・。もし、少しでも分からないことがあったら、遠慮しないで、担当の教員に質問に行きましょう。筑波大学物理学類の教員は、親身になって、わかるまで説明してくれます。

物理学実験

二年次には「物理学実験I(必修)」、三年次に「物理学実験II(必修)」があります。物理学類は令和元年度にカリキュラム改革を行い、これらの実験系授業を三時限から六時限に設定しました。しっかり予習をしてくれば、早く実験を終わられることができます。

計算物理学と実験物理学

物理学の研究において、計算と実験はなくてなならないものです。そこで、物理学類では「計算物理学I-IV」と「実験物理学I-III」を整備しました。計算物理学を履修することにより、計算機の物理学への応用に関する基礎知識が得られます。実験物理学を履修することにより、実験装置の取り扱いやデーターの取り扱い、等に関する基礎知識が得られます。最近では、研究者により、物理学の問題解決に機械学習やデータ科学を応用する試み盛んになされています。こういった授業科目充実も検討中です。

課題探究実習セミナー

物理学類では、学類生が能動的に参加できる「課題探究実習セミナー」を提供しています。担当の教員が探究するテーマを提案し、そのテーマに興味を持った学生が授業に参加します。そして、教員と学生が一緒になって、そのテーマを探究します。是非とも探究したいテーマがありましたら、担任の教員に相談したらいかがでしょう。

各分野の専門科目

三年次には素粒子、原子核、物性、宇宙、プラズマ、生物の分野に関する「**物理学概論」、4年次には各分野の「**物理学」の授業が始まります。これらの授業では、それぞれの分野において、過去にどのようなことが研究されてきて、これからどのようなことが研究されるのか、を学習します。それと同時に、各分野の学問の基盤(例えば、固体物理学、等)も学習します。学生はこれらの授業も参考にして、4年次にどの分野に進むかを決めます。そのためもあって、3年生のうちに4年次用に開講している「**物理学」を履修する学生が多いようです。

卒業研究

大学生活の中で最もおおきな行事の一つに研究室配属があります。研究室に配属されると、指導教員から研究テーマを与えられます。指導教員の指導の下に、1年間研究を行い、卒業論文を仕上げます。物理学類では、卒業生の7割以上が大学院に進学し、さらに研究を深めます。したがって、研究室選びは非常に重要です。物理学類では、3年生の担任を中心に、研究室配属説明会を開催します。それとは独立に、ニュートン祭実行委員会という学類生の組織が、研究室訪問を企画します。研究室訪問時には、教員は、授業で見せる顔と別の顔を見せるかもしれません。