実施:2005年8月4日(木)

  1. 概略
  2. プログラム
  3. 講義内容
  4. 実験内容
  5. 研究センター見学
  6. レポート提出について
  7. 授業風景写真集

概略

私達を取り巻く自然にどのような法則が働き、どのような現象が起こっているかを探求する自然科学の中で、物理学はその基礎を支える学問です。人類の歴史の中で、実験や観測などの科学的な方法の積み重ねと、その結果に基づいた論理的な考察により、自然界の真理が明らかにされて来ました。いまや我々は、クォークなどの極微の世界から宇宙の構造にいたる様々な自然現象がどのような原理や法則によって起こっているかを知っています。また物理学は、私達の暮らしを豊かにする様々な技術革新の基礎を支えています。このような発展の原動力は一体何でしょう?それは皆さんの心の中にある自然を理解したいという欲求と、豊かな好奇心です。それらが物理学の発展を支えています。

筑波大学では、素粒子・原子核・物性・プラズマ・宇宙の各分野にわたる最先端の研究が行われています。この体験学習ではその中から、素粒子・宇宙・原子核分野から一つ、そして物性・プラズマ分野から一つの講義を行います。各講義は最先端の研究内容をまじえながら、できるだけ易しく解説したものです。これによって、現代物理学では今何が問題となり、どのような研究が行われているかを知って頂ければと思います。

講義に加えて皆さんが参加する実験のテーマも用意しました。これらは大学生が実際に行うものをアレンジしたものです。光の干渉・エレクトロニクス・放射線・極低温の4テーマを予定しています。受講生はこのうち一つのテーマを選び、大学の物理実験を体験してもらいます。

これらの講義と実験を通して、大学での物理学の授業と、物理学の最先端の研究を体験して下さい。

筑波大学には物理学の研究センターがいくつかあります。講義と実験の他に、短い時間ですが研究センターの見学も予定しています。

 

体験学習(物理学)プログラム

実施:2005年8月4日(木)
平成17年度筑波大学自然学類体験学習(物理学)日程表
(注:詳細は変更する場合があります。)

時間

題目

担当教官

教室など

9:15~9:30

受付

体験学習補助者

1H201

9:30~9:35

事務連絡

事務

9:35~9:40

自然学類長挨拶

岡本自然学類長

9:50~10:10

初めに

(実験内容紹介等)

中井直正

  

総合研究棟B1階

公開講義室

10:20~11:00

授業「原子核論」

矢花一浩

11:10~11:50

授業「プラズマ物理」

石井亀男

11:50~12:50

昼食

 

 

12:50~13:00

 

実験組み分け

中井直正

総合研究棟B1階

公開講義室

13:00~15:30

物理学実験

①極低温

②エレクトロニクス

③光の干渉

④放射線

 

大塚洋一

東山和幸

富本慎一

青木孝義

 

 

物理実験室

15:30~16:15

在校生との懇談

体験学習補助員

総合研究棟B1階公開講義室

16:15~16:30

おわりに

中井直正・

松本秀樹 

(希望者のみ)

16:30~17:15

計算科学研究

センター

プラズマ研究

センター

センター教官

計算科学研究センター

プラズマ研究センター

17:15~18:00

プラズマ研究

センター

計算科学研究

センター

センター教官

計算科学研究センター

プラズマ研究センター

講義内容

矢花一浩「原子核物理学の話」
石井亀雄「核融合プラズマの話」

実験内容

①「光の干渉」の実験では、レーザー光を使い、回折や干渉といった現象を調べます。現代物理学では電子をはじめとした物質も波としての性質を持ち、その波動の干渉が様々な物理現象において極めて大切な役割を果たすことが知られています。

②「エレクトロニクス」は実験物理学に欠かすことのできない技術です。この実験ではその第1歩としてオシロスコープの扱い方を実習し、さらに様々な電子回路における電気信号を、オシロスコープを使って観察します。

③「放射線の測定」では、自然界の放射線(α線、β線、γ線)について学ぶとともに、ガイガー・ミューラー管を用いて放射線を検出し、β線やγ線の遮蔽について調べます。

④「極低温」の世界は、超伝導や超流動などの日常の常識では理解できない現象の見られる場として物理学の歴史上多くの発見のあった舞台です。この実験では、液体窒素と液体ヘリウムという低温液体を用いて、液化・固化・超伝導・超流動などの極低温での様々な現象を観察します。さらに物質の電気抵抗が低温でどのように変化するかを、金属・半導体・超伝導体を試料として実験し考察します。

研究センター見学

体験学習の終了後、研究センター見学を企画しています。今回は計算科学研究センターとプラズマ研究センターを予定しています。体験授業で聞いた内容をもっと詳しく知りたい、どんな研究が実際なされているかを知りたいなどと思っているかたは、ぜひ利用して下さい。二つとも見学できる充分な時間が取ってあります。

①計算科学研究センター
素粒子計算物理学、計算物性物理学、計算宇宙物理学、並列計算機工学の研究グループがあります。詳しく知りたい人は、計算科学研究センターのホームページを御覧下さい。

②プラズマ研究センター
複合ミラー型プラズマ実験装置を基盤に、昭和54(1976)年に設置されました。ミラー装置の特長を活かし、核融合実用を目指す学術研究を行っています。詳しく知りたい人は、プラズマ研究センターのホームページを御覧下さい。

レポート提出について

課題;
(1) 興味を持った授業の内容についての意見や感想
(2) おこなった実験について

返信用封筒に返信宛先記入の上、切手を貼り、課題(1)と(2)レポートと一緒に送ってください。

送付先;〒305-8571
つくば市天王台1-1-1
筑波大学数理物質研究科物理学専攻
中井 直正

〆切;平成17年8月25日

昨年度授業風景写真集